本化妙宗連盟の教義

本化妙宗宗綱

本化妙宗は、如来出世の本懐として、本仏釈尊金口の宣示する所、末法救護の憲教として、本化聖祖色読の唱導する所、已に出で今出で当に出でんとする宗見学見、種種の妄想邪謂を打破して、法界唯一乗の妙義を光揚し、人類の思想道徳を統一して、常寂光明の真世界を現出せんが為に建立伝弘せられたる、閻浮統一の名教なり

「本化妙宗宗綱」は、本化妙宗の内容を簡潔に定義づけた綱領ともいうべきもので、「本化妙宗信条」とともに、明治35年10月、創立者田中智學先生が、日蓮聖人御入滅御はじめて本化宗学を組織的に大成された「本化妙宗式目」において、全体の総要として明示されたものです。

本化妙宗の最も重要とする「三大秘法」

本化妙宗の最も重要とする教義が3つあります。それらを「三大秘法」と称し、以下にその大略を記します。

第1「本門の本尊」「本果妙(ほんがみょう)」

第1は、「本門の本尊」・「本果妙(ほんがみょう)」という、妙法蓮華経・如来寿量品第十六によって明らかにされている「久遠本仏の常住」という教義です。法華経の方便品第二によって、釈迦牟尼世尊が成道してから40余年説いて来たところのお経では、成仏するためには、声聞(しょうもん)・縁覚(えんかく)・菩薩(ぼさつ)の「三乗の教」があると説いたのは方便であって、本当は、生きとし活けるもの皆ことごとく成仏出来るのだと『唯一仏乗』を説かれて、全仏教の教法が統一されました。さらに如来寿量品第十六によって、過去・現在・未来三世十方に多くの仏様が別々に存在しているのを、それらの仏は、実は唯一の『久遠の本仏』が、この三千大千・大宇宙全体の根本から、普遍的に存在していて、その『久遠の本仏』が、まるで天の月が地上の池とか海とか湖の各所の水面にうつるのと同じように、各仏国土にあらわれたものであることを明きらかにされました。このことにより、三世十方の仏が統一されました。その『久遠の本仏』がこの大宇宙の中の地球上には、インドの釈迦牟尼世尊と垂迹応生し、この法華経を説かれ、入滅後には、その時代々々に適応する使者を派遣して、時代相応の教を弘めさせるのです。『久遠の本仏』は、このように常に迷い苦しむ衆生を救うために、休むことなく私達の世界に常住し、手をさしのべて下さっているのです。これを『本果妙』の教義といいます。

第2「本門の題目」・「本因妙(ほんいんみょう)」

第二は、「本門の題目」・「本因妙(ほんいんみょう)」ということで、仏滅後、世の中は、正法時代・像法時代・末法時代と変化してゆきますが、今日が末法時代です。この末法時代に入った始の頃に、寿量品の『久遠本仏』の全生命である『南無妙法蓮華経』によって末法時代の全人類を救済し、世界絶対平和を確立するために、このの弘道・伝導の付嘱を受けた、本化上行菩薩が日蓮聖人として垂迹応生し、法華経の勧持品第十三・常不軽品第二十・神力品第二十一・嘱累品第二十二・その他に予言されたことを全て実践し、この妙法を弘通します。この上行菩薩に伝えられた『南無妙法蓮華経』の修業を『本因妙』の教義といいます。

第3「本門の戒壇」・「本国土妙(ほんごくどみょう)」

第三は、「本門の戒壇」・「本国土妙(ほんごくどみょう)」ということで、如来神力品第二十一に十神力が示されていますが、その第十番目の神力の説相として、十方の世界が悉く一仏の世界となり、永久(常)の平和(寂)と光明(光)に充てしまう、本仏の本国土ということが示されであります。  この経文を、天台大師は「仏の滅後に、この人類の世界に将来必ず、法華径によって世界が統一されることを予言したものだ」と解釈されました。  日蓮聖人は『立正安国論』をもって、正法である法華経を国に立てなければ、国家・人類の真の安心・安身・安泰にはならない、国家が正法を尊びそれに随い守ることが、真の安国の唯一の道だとされたのです。国家の正法化上世界の絶対平和を目的とすることを『本国土妙』の教義といいます。

以上の三つの教義が、信仰修行に日蓮聖人によって組織されました。 『本果妙』の教義が『本門の本尊』となり、『本因妙』の教義が『本門の題目』となり、『本国土妙』の教義が『本門の戒壇』となりました。これを本門の『三大秘法』といいます。